「・・・見たこと無いモンスターだな」
言いながら、エドガーは攻撃に移るべく身構えた。
「どういう攻撃してくれんのかね、この敵さんは」
不適な笑みを浮かべながら、セッツァーは、目の前のモンスターを見据える。
と、その時、その見たことも無いモンスターが、エドガーに向かって白い煙を吐いた。
「!?」
まだ攻撃の準備を終えていなかったエドガーは、その煙をまともに食らってしまう。
「エドガー!?」
叫びながら、セッツァーは、武器であるダイスを振るう。
今回の賭けは、セッツァーに軍配が上がったらしく、この見知らぬモンスターを倒すには、充分な目が出た。
あっという間に、モンスターは消滅する。
「エドガー、大丈夫か!?」
セッツァーが、まともに謎の煙を浴びてしまったエドガーの見やると、ちょうど、煙が周囲に四散する処だった。
煙の向うに、エドガーのシルエットが浮かびあがり、ほっと胸を撫で下ろしたセッツァーだった・・・が。
「・・・何の冗談だ?エドガー・・・?」
完全に煙が四散した後に残されたのは、
犬の様な茶色い耳と、フサフサした尻尾。両手足は肉球の付いた手袋の様になっている。
そして、首には赤い首輪。
さらに、いつもより一回り程サイズの縮んだエドガーだった。
「わ・・・わんっ!」
言ってから、エドガーはあわてて口を塞いだ。
どうやら、発声器官にも何らかの影響を受けた様で、「わん」としか言えなくなっているらしい。
「まぁ・・・人を河童にするモンスターもいるんだから、こういうのもアリ、なのか・・・?」
how to bring up a dog
「さ〜て、どうしたもんか」
セッツァーは、壁にもたれかかって、タバコを吸っている。
その隣で、犬耳、犬尻尾等のギャグマンガの様なオプションを装備したエドガーが膨れっ面で座り込んでいる。
声を発しようにも、犬の鳴き声になってしまうので、エドガーは何もしゃべらない。
エドガーとセッツァーは、がれきの塔までレベル上げに来ていた。
世界中に散らばった仲間を集める為、数人づつ、がれきの塔でレベルを上げ、
明日の夕方に再び集合する手筈になっている。
明日の夕方までにはどうにか元の姿に戻りたい。
こんな格好で合流したら、笑われるか、馬鹿にされるか、おもちゃにされるか、同情されるか・・・
いずれにしても不愉快だ。
「『カッパー』と『イエローチェリー』は効果無かったしな〜・・・」
セッツァーは、言いながら、おもむろにエドガーの犬耳を引っ張った。
「ギャンっ!」
とっさの事に、悲鳴をあげたエドガーを見て、セッツァーは「やっぱ痛いんだ な」と、身勝手な感想を呟いた。
セッツァーが身勝手な事は、充分承知しているが、さすがに腹が立つ。
そんなエドガーを気にする事なく、セッツァーは、続いてエドガーの手の平の肉球をフニフニしている。
『いいかげんにしろっ!』と立ち上がったエドガーを、セッツァーは、軽くあしらい、後ろから抱きしめた。
いつもは、自分より上にあるエドガーの頭が、今日は下にある。
あわててセッツァーを引き剥がそうと暴れるエドガーだったが、どうやら力も弱くなってしまっているらしい。
その事に、二ヤリと不気味とも言える笑みを浮かべて、セッツァーは、おもむろにエドガーのズボンのベルトに手をかけた。
「っ!?」
『何をするんだ』と、睨みつけるエドガーの視線を軽く流し、セッツァーは、 「ボディーチェックだよ、ボディーチェック♪」
と、片目を瞑ってみせた。
エドガーの背に、冷たい汗が流れる。
必死の抵抗虚しく、カチャリと音を立ててベルトが外され、するりとセッツァーの手が、エドガーのズボンの中に侵入する。
「ふ〜ん、尻尾もちゃんと生えてるのな〜」
セッツァーの手は、尻尾の根元と言うよりも、尻をさわさわしている。
「〜〜〜〜っ!!」
顔を真っ赤に染めたエドガーが、拳を握り締め様としても、肉球の付いた手では、それも叶わず。
体格も、体力も、言葉すら奪われ、哀れエドガーは、セッツァーのやりたい放題にされるのであった。
哀れなエドガー陛下に合掌。ち〜ん・・・。
などと言っている場合ではなく(笑)
そのうちに、下着の中のセッツァーの手が、エドガーの一番敏感な部分に触れた。
「きゃうんっ!」
驚いた拍子に、エドガーから、ありえない声が上がる。
「へ〜、こっちは人間と一緒か〜、ふ〜ん」
エドガーの耳元で、セッツァーが意地悪く呟く。
『テメー、この野郎、元に戻ったら覚えてやがれっ!』
と、エドガーは、心の中でとても王族とは思えない悪態をつくが、セッツァーの手は、エドガーの敏感な部分をお構いなしに暴れまわっている。
「う〜、ワン!ワンワンッ!!」
さすがに、「馬鹿にされる」とか言っている場合でもなくなってきたので、
エドガーは、抗議の為、必死になって吠えた。
「あぁ?うるっせーよ、子犬ちゃん?」
セッツァーの目が、キラーンと、残酷に光る。
「身の程を知らない子犬ちゃんをしつけるのは、飼い主さんのお仕事だからなぁ・・・」
セッツァーが咥えていたタバコが、弧を描いて地面に落ちる。
「・・・・」
エドガーは、背筋がゾクっとするのを感じた。
それは、本能的な恐怖。
「!?」
突然、エドガーの口と鼻が、セッツァーの手によって塞がれる。
「・・・くぅ・・・ん・・・」
呼吸を封じられ、苦しげな声が漏れる。
エドガーの手が、セッツァーの腕を押しのけようと動くが、元々力が弱くなっている上に、呼吸の苦しさに力が入らない。
『殺される』
そう、覚悟した瞬間。
ふ、と、セッツァーの手から力が抜ける。
エドガーは、そのままヘタリとしゃがみ込み、肩で息をしている。
「吠え癖治った?子犬ちゃん?」
偉そうに見下ろしてくるセッツァーに、それでも、エドガーは、潤んだ目で睨みつけた。
「ふ〜ん。躾がいがありそうじゃん?」
言うなり、セッツァーは、エドガーの首に付いている赤い首輪をひっぱって立たせた。
「犬の躾で、一番大切な事って知ってるか?」
セッツァーが、二ヤリと笑う。
「上下関係を明確にしてやる事なんだとさ」
言うなり、セッツァーは、エドガーの両手を頭の上で一纏めにして片手で押さえ込み、壁の方を向かせて押し付けた。
「うぅ〜〜〜」
「そんな潤んだ目で睨まれても逆効果だっての」
精一杯の抵抗として、唸ってみるも、あっさりと返される。
「きゃうっ」
突然、セッツァーの指が、エドガーの中に突き入れられる。
「ふ〜ん。コッチもいつも通りか」
「・・・く・・・ぅ・・・」
セッツァーの指が、無遠慮にエドガーの内部で蠢く。
エドガーは、きつく目を閉じて、その扱いに堪えている。
「お前さ〜、お前のそういう態度が俺のサド心煽ってるって知ってる?」
その行為とは、全く釣り合わない軽い口調。
おもむろに、指が二本に増やされる。
「キャンっ・・・!」
エドガーの肩がビクリと振るえた。
「ま〜、国王陛下ともなりゃ、プライド捨てろって言ったって無理な話だわな」
顔を朱に染め、声を堪えるエドガーに対し、相変わらず、セッツァーは涼しい顔をしている。
「ま、そんなトコが面白いんだけどさ」
『面白いって何だ?』 エドガーは、心の中で、悪態をつくが、まだそんな悪態をつくだけの余裕がある自分が、いっそ滑稽だった。
「そろそろいいか?」
その意味を悟って、エドガー『やめろ』という強い意志を込めて、セッツァーを睨みつけた。
セッツァーは、そんなエドガーを無視し、
「あ、今、お前、犬だから、こっちの方がいいか」
とサラリと言ってのけ、エドガーを四つん這いにさせた。
エドガーは、すでに膝に力を入れて、抵抗する事もできず、いとも簡単にセッツァーのいいように扱われてしまった。
その屈辱と、こんなにも酷い扱いを受けているというのに、『快感』と変換され始めている疼きに、涙が溢れる。
「お前、マゾッ気あるんじゃねぇ?勃ってるぜ?」
セッツァーの手が、エドガーの中心部に触れる。
すでに、『何をしても無駄』と悟ったのか、エドガーはただ、きつく目を閉じ、腕を噛んで声を堪えている。
「ちったぁ賢くなったじゃん」
セッツァーは、そう言うと、エドガーの先走りを自分のモノに絡めると、一気にエドガーの中にねじ込んだ。
「くぅぅっ」
かろうじて、悲鳴になるのだけは堪えたが、苦しげなうめきが漏れた・・・。
「・・・・さて、どうするかね・・・」
気を失ってしまったエドガーの頭を膝の上に乗せ、セッツァーはタバコをふかしている。
膝の上のエドガーは、相変わらず犬耳や、犬尻尾が生えている。
とりあえず、『躾』は成功した(と、あくまでセッツァーは思っている)が、根本的な問題は解決していない。
何だかんだで、集合時間もあと数時間と迫っている。
セッツァーは、ため息混じりに、タバコの煙を吐き出すと、
吸い込まれるかのように、セッツァーは、エドガーの金の髪を撫で始めた。
汗と精液で少しべたついたが、それでも、充分に『愛しい』と思った。
「・・・ん・・・」
ぴく、と、エドガーの瞼が動き、続いて、綺麗なアイスブルーの瞳が覗いた。
エドガーは、少し寝惚けているらしく、2、3回瞬きを繰り返したが、どうやら、自分の置かれた環境に気付いたらしく、
がばっと、上半身を起こすと、セッツァーに向かって、文字通り「ギャンギャン吠え出し」た。
セッツァーは、ややうんざり気味に
「なんだ、吠え癖治ってなかったのか」
と呟いた。
セッツァーの手が、すっとエドガーに向かって伸びる。
先程、『躾』と称して行われた行為を思い出して、エドガーの肩がビクっと震える。
しかし、それも一瞬のことで、エドガーは、キッとセッツァーを睨みつけた。
「気の強さは相変わらずだな」
セッツァーは、クスリと苦笑を漏らすと、伸ばした手を、そっとエドガーの頭に添え、引き寄せ、そのまま、軽く触れるだけのキスを与えた
すると、なんと、エドガーが再び白い煙に覆われてしまった。
何事か!?と、思う頃には、白い煙は四散を始めていて・・・
煙の後に現れたのは、元の姿に戻ったエドガーだった。
「もど・・・った・・・?」
自分の手を、じっと見つめながら、エドガーが呟いた。
声も、出る。
「おー、こういうのは、やっぱ『王子様のキス』ってのが定番か」
そう言って、「やっぱ俺はお前の王子様なんだな」と、セッツァーはニヤニヤと笑っていたが、
振り返ったエドガーの表情と、オーラに、そのニヤニヤ笑いもひきつった。
「覚悟はいいか?このエロギャンブラーっ!!!」
数時間後、皆より少し遅れて合流したエドガー・セッツァーコンビは、何故かセッツァーだけがボロボロだった。
「やぁ、回復アイテムも、MPも切れてしまってね」
皆にそう説明するエドガー陛下の笑顔は、至極晴れ晴れとしていた。
「なぁ、この、セッツァーに刺さってるの、オートボーガンの矢なんじゃ・・・」
誰かか呟いた一言で、飛空挺に旋律が走った。