| present |
| 海野 2009/2/8 (Sun.) 00:11:17 『present』 砂漠の直中の王国、フィガロの国王、なんて、ご大層な肩書きを背負った、しかも俺と同じ男と恋仲になって、もう、何年経つだろう。 始めの内は殊勝にも、この俺が、あいつと──エドガーと付き合い始めてどれくらいになるだのなんだの、指折り数えることもあったが。 何時の頃からか、そんなガキみたいなことはすっぱり止めちまったし、正直、数えるのも億劫だ。 ──場末の酒場の何処にも溢れているような、阿婆擦れ女達の尻を撫でてやるのが挨拶代わりな口だった筈の俺が、どうして、同じ男のあいつと恋仲になんかなっちまったのか、そんなこと、俺自身の中にも答えはない。 俺達は、気が付いたら、互い、互いに惚れちまってて、あいつと俺が出逢った時、俺達はとっくに、様々な意味で『大人』だったから、躰を重ねる関係になるのに、そう時間は掛からなくて。 …………さて、あれから本当に、どれくらい時が経ったのか。 考えるのは、何処までも億劫だ。 億劫、なんだが………………。 ────あの男は、王様なんて商売をやってる所為か、それとも生来の質なのか、さもなければ『育ち』の為か、何かに付けて、人に贈り物をするのがどうにも好きで。 恋仲になってからこっち、毎年毎年、俺の誕生日に──即ち、今日という日に、俺への贈り物を欠かしたことがない。 一国の王が、碌でなしの代表格みたいなギャンブラー相手へ手ずから贈り物を選ぶなんて、外聞のいいことじゃねえだろうと俺は思うから、そんなことなんざし なくていいと、口が酸っぱくなる程言ってやったのに、あいつは俺がそう言う度、そりゃあ綺麗な笑みを浮かべて無言の拒否を突き付けてきて、だから、毎年毎 年。 本音を言っちまえば、俺はそういう手合いのことは苦手なんだが、あいつがそういう口だから、俺も、毎年必ず、あいつの誕生日には何かを贈ることにしていて。 お互い、贈り合った品の数を数えれば、否応無しに、例えどんなに億劫でも、俺達が恋仲になってから過ごしてきた時間の長さは判っちまう。 あいつと出逢って、恋に落ちて、身も心も結ばれて、そうして、二人過ごしてきた時間が、もう、どれくらいになるのか。 ……そうだ。 毎年の、今日という日が来る度、あいつが贈ってくれた物の数を数えれば判る。 あれからもう、──年が経ったってことが。 それだけの時間、俺はあいつへの、あいつは俺への恋に落ち続けて、そして、恋に溺れ続けて、けれど。 人の世界での『高位』の一つと言えるのだろう国王であるあいつと、人の世界での『底辺』に近いギャンブラーである俺とが、これまでに過ぎた時の中で、真実寄り添えていた時間の長さは、多分………………────。 ……………………そうして、今年も、又。 今日という日がやってきた。 出逢ってからは──年になる、けれど、寄り添っていられた長さは短過ぎる、そんな者同士な俺達の片割れが、俺に、贈り物をしてくれる日が。 ──毎年、この日が近付く度、あいつは、「何か、欲しい物はあるかい?」と問うてきた。「要らない物を貰っても困るだろう?」と言って。 ……今まで、その問いに、答えを返したことはなかった。 何が欲しいと言ったことは一度もない。 お前の好きにすればいい、そう返すのが常だった。 …………でも。 今年も又、素っ気ない俺の答えに憤慨しつつも、頭を悩ませつつ選んだ贈り物を届けてくれるのだろうあいつに。 エドガーに、逢ったら。 「本当は、お前にねだりたいことがあったんだ」 と、そう言ってみようか。 俺達が、これまでに真実寄り添っていられた時間は短過ぎる。 けれど、出逢って、恋に落ちて、落ち続けて、もう、──年が経ったから。 言ってみようか。 「俺と二人きりで、世界の果てに行ってくれと、そうねだりたかったんだ」 ……と。 End ****************************** お誕生日、おめでとう、セッツァーさん! 陛下と末永くお幸せに〜〜〜♪ 贈り物の数だけ… フク 2009/2/9 (Mon.) 21:40:31 管理人様、こんばんは。 素敵な文章の一文一文に激しく萌えてしまったので、感想を書かせて下さい。 一見冷めてるようで、実は陛下を思いやり気遣うセッツァーさんが素敵です! 愛情の深さを感じて、こちらまで幸せな気分になって来てしまいますvV 恋人同士として年月を重ねても、一緒に過ごした時間は短い……という心境を思うと、どこか切ない気がします。 でも、お二人ならきっと、世界の果てでも怖い物などないような、そんな気もします。 セッツァーさん、ハッピーバースディ♪ 有り難うございます♪ Re:present 有り難うございますー♪ |
| お持ち帰り^^ | ||
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